【歳を重ねれば自然と「オトナ」になるもんだと思っていた。】
私は猫が好きなのでタイトルに惹かれるがままこの本を手にしたのですが、
先に【】で挙げたこの一言が猫より先(1話の1コマ目)に登場し、当然ながら
一番最初に目に入ったものでして…なかなかの衝撃を受けました。
そして、その後登場する猫に癒されながら…あっという間に読み終えていました。
この漫画は
・猫が好きな方
・自然と「オトナ」になれなかった方
・そこそこいい年齢なのに、未だに何か欠けているような気がしている方
…上記に心当たりがある方もそうでない方にも是非読んでいただきたい1冊です。
(私は全てに当て嵌まっていることを自負します。)
ストーリーは、熊本在住の、年齢も性別も、趣味も趣向も全くバラバラな猫好きの男女3人が
2016年に起きた熊本の震災(と猫)をきっかけに出会い、そこから三人(と猫)のルームシェアリングな,生活がスタートしていく…というところから始まります。
日々過ごしていく中で起きる様々な事をきっかけに、普通とは、仕事とは、恋愛とは、
結婚、人生将来etc…ある意味年相応に出てくる悩みや不安の波や、世間から吹く冷ややかな風に
眉間の皺を寄せながら、周りの「当たり前」とは違う自分たちの在り方や足りなさを気にしては迷い、
それでも自分たちが生きていくために大切なものは何か、を三人がそれぞれ模索していく…
私はその姿にとても惹かれました。
…ここまで書いて、猫要素に殆ど触れていないのですが、猫はきっちり登場します。
この三人の真ん中には、必ず猫がいます。
猫を通して、三人がお互いのことを考えるきっかけになったり、何かに気付かされたり
学びがあったりします。
何より、猫がかわいいです。描かれている猫もとてもかわいいです。癒されます。
(猫の事まで書き出すととても長くなりそうな為、割愛します。)
これは、時間が過ぎれば真ん丸の満月になることと同じよう、歳を重ねれば
自然と「オトナ」になれると思っていた、満月未満の…三日月のようなオトナ三人が
猫と共に生き、満ちていく途中を描いたお話。
彼等の時間を、猫の可愛さを共有したく、紹介させていただきました。