とある過疎地から都内の高偏差値高校に主席で入学した岩倉美津未(みつみ)。将来の夢は東大へ進学、卒業後は官僚になり、故郷へ錦を飾ること。
大きな夢を持つ彼女は純朴でまっすぐで、ちょっと天然が入ってます。
入学したのは都会の、それも秀才が集まる進学校。人間関係に勝ち負けを感じたり、他人と自分を比べてしまったりと思い悩む高校生たち。
そんな中でみつみ自身も無関係ではいられません。
勉強はできるけど、学校のみんなと家族同然に過ごして来た故に、都会の同年代のコミュニケーションには不慣れな彼女。
クラスの空気や駆け引きなどどこ吹く風で、持ち前の純朴さと天然っぷりを発揮。感じたことや考えたことを素直に伝え、行動します。
みつみの姿に、言葉に、同級生や先輩たちは忘れかけていたものを思い出したり、発見したり、自分に気づいたり。
彼女と関わっているうちに心が解きほぐされて、いつの間にか笑顔になり、まわりの生徒たちとも自然に友達になっていきます。
みつみ自身も聖人君子ではなく、けっこう俗で欲もあり、楽しんだり悩んだりしながら友人たちと高校生活を過ごします。
読むと心にさわやかな風を感じたり、みつみの天然っぷりに噴き出したりする青春作品です。
入学初日に仲良くなったイケメン男子志摩くんとの友情と、ほのかな恋心(?)がどう育っていくのかも楽しみです。