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『しょうゆさしの食いしん本スペシャル』 スケラッコ (リイド社)

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『しょうゆさしの食いしん本スペシャル』 スケラッコ (リイド社)

バイヤー:永山のおすすめ



なぜしょうゆさしなのかは分からない。
タコにも見える不思議な愛らしさをたたえたしょうゆさし。
そんなしょうゆさしがたまにゆかいな仲間を交えつつ、
食べたいものを作って食べて、ときには買い食いして、すてきなお店に行っては食べて飲んで、旅に出ては食べて飲む。

中華やエスニック系の料理も自分で作るしょうゆさし。
平たくって幅が広い春雨を麻婆や韓国風甘辛味に調理しているのが、食べたこともないのに顎に春雨のムチムチした食感を感じてしまうくらい美味しそうすぎて、
軽率に継続して使える気がしない中華の調味料やスパイスを揃えてしまいたくなる。
しょうゆさしの同居人のビッグフットくんは、
食パンににバターをしこたま塗り、「その量で3枚は作れる」と言われるほどどっさりとチーズを乗せて焼く、といった悪魔的な食べ物を生み出している。

とにかく徹頭徹尾、食の楽しみがこれでもかと詰め込まれていて、
1ページ読んではおなかがすき、ページが進むごとに食べたいものがどんどん増えていくのが楽しくて、ある意味つらい。
寝る前に読むのはおすすめできない、とありがちなことを思う一方で、
むしろ寝る前にこそ読んで翌日や、次のお休みに何を食べようかと思いを馳せ、おいしいもののことで頭いっぱいな状態で眠りにつくのも乙だと思う。(眠れるのか?)