7/29(金)浜松本店でイベント予定の直木賞作家、今村翔吾先生による大阪の陣の物語。
豊臣家を滅ぼし天下を完全に治めようとする幕府軍。一方大阪方には様々な思惑で浪人が集まる。
豊臣家の旧恩に報いるため、戦国最後の戦で華々しく散るため、手柄を上げ戦のあと家の再興を目論むもの。
その中でひときわ光を放つ武将が真田「幸村」。
冬の陣では大河ドラマで有名な真田丸で幕府軍をさんざんに苦しめ。夏の陣では徳川家康
をあわやのところまで追いつめる。
「真田」「幸村」とは何者でその目的とは何だったのか。
各章で徳川家康・織田有楽斎・南条元忠・後藤又兵衛・伊達政宗・毛利勝永そして兄真田信之
がそれぞれの目的のために「幸村」と関わる。
そこでうかがえる幸村の非情さとやさしさ。
そして各々がそれぞれの思いを込め口にする。
「幸村を討て」
各将の生い立ちより語られ、その生きざまに物語にのめりこんでしまう。
毛利勝永と「幸村の兄」の認識でしかなかった真田信之の評価が私の中でうなぎ上りに。
特に最終章の信之と家康の「静かな戦」は圧巻。