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『恋の花詞集』(音楽之友社 1990年)で、橋本治さんの
詳細な解説を読んで以来、『リンゴの唄』(サトウ・ハチロー作詞、万城目正作曲)は
私にとって特別な歌ですが、本書を読み、更に特別な歌になりました。
並木路子さんが歌い、敗戦の年に大流行したという「リンゴの唄」は、
「敗戦後の人々に、生きる勇気と希望を与えた」とずっと言われて来ましたが、
ではこの歌は、日本人の間にどう浸透して行き、どう勇気づけて行ったのかを
詳細に検証したのが本書です。
大ヒットした曲にスポットを当て、その曲の運命を辿った本には
『上を向いて歩こう』(佐藤剛著 小学館文庫)や、
『ザ・タイガース花の首飾り物語』(瞳みのる著 小学館)などがありますが、
この『「リンゴの唄」の真実』もまた、たった1曲が、
沢山の人を救い得ることを教えてくれる一冊と言っていいでしょう。
読み終わったあと、「リンゴの唄」を改めて聴きたくなる、
そんな本です。