絵本「ぼくのたび」の、愛らしい中に、なぜか郷愁を感じてしまう絵を目にしたときから、
絵本作家・みやこしあきこさんの大ファンになりました。
本作は、 みやこしさんが初めて手がけた絵童話です。
主人公は小さな「トガリネズミ」。
小さいのにしっかり者で働き者。朝から夜まで決まったルーティーンの中で生活しているけれど、
その中でささやかな喜びや楽しみを見つけるお話です。
1枚1枚が可愛らしいトガリネズミの絵や、こだわりが伝わってくる装丁、
見た目の部分だけでなく、物語も丁寧に作られていると感じる本です。
ささやかな日常の中にもちょっとした幸せを感じ、豊かな生活を送ることができるかどうか。
それはその人の心持ちひとつなのだと、小さなトガリネズミが教えてくれました。
1日の終わりに、ほっと一息つきながら、ゆっくりとページをめくって欲しい絵童話です。