先月、本書をドラマ化したTV作品が、NHKの日曜23時のドラマ枠にて全3回で放映されていました。
おそらく高校生の時に読んだ記憶がありましたが、ドラマを見終えた後にすぐに読み返してみました。
高校生当時からクリスティのポワロやミス・マープルは読んでいましたが、こちらはタイトルが印象的
で近所の書店で購入した覚えがあります。
余談になりますが、本書だけでなく、クリスティ作品はタイトルが秀逸なものが多い気がします。
『そして誰もいなくなった』や『終わりなき夜に生まれつく』、『春にして君を離れ』等です。
本書は牧師の息子である主人公のボビイが、ゴルフの最中に崖下に転落した瀕死の男性を見つける事から
始まります。亡くなる直前、男性が「なぜエヴァンズに頼まなかったのか?」と謎のダイイングメッセージ
を残しますが、ボビイと彼の幼馴染で貴族の令嬢であるフランキーが謎解きをしていくというお話です。
どこか頼りないボビイと、猪突猛進のフランキーという組み合わせが、同じクリスティのトミーとタペンス
を彷彿とさせる物語。
ラストの伏線回収と、真相はしっかり読者の予想を裏切る辺りが、さすがクリスティという作品です。