
文字通り「柿の実が熟して落ちる」という意味ですが、「熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、
時期が来るのを待つこと」との意味があるそうだ。
人身事故を起こした身重の女性が、ひき逃げの罪で刑に服す。
刑務所で出産するも子育てができないため、夫が息子を育て妻とは離婚する。
主人公の市木かおりは、罪を償っても常に人身事故の陰におびえる日々。
住まいや職場を転々として様々な人間と出会うが、前科のある人間が落ち着く場所はない。
ただひとつ子供の成長を楽しみに将来のため、お金を稼ぐことを唯一の生きがいとしていくのだが…
子供にはなかなか合わせてもらえず…
不幸続きの市木かおりの半生に、いっしょに悩み、苦しみ、
寄り添ってあげたいという想いでいっぱいになりました。
「どんな境遇の中にも、どんな悲惨な状態の中にも幸せや喜びがある」と
ある詩人が言っていたのを思い出しました。
市木かおりの幸せを願わずにはいられませんでし