
まずは、濃霧・毒ガス・地震の三重包囲で起こる殺人事件という発想が凄い。
こんな設定で進行する小説は初めて読みました。そして前作に引き続き、今回もまた城崎医師が登場。
だが一番気になったのは九条環さんだった。
小出しに出てくる環さんの思い出話がさらに謎を深める。
「謎、多すぎだよ!環さん」 それに加えて作品のリアル感を高め読みごたえ感を
さらに盛り上げてくれたのは、所々差し込まれる専門的な医学用語と対応。
うーん。素晴らしい。さすが現役医師さんです。
過疎化が進む地方の医療問題も絡めたミステリー小説は、
今の日本の状況をわかりやすく大勢の方に理解していただく一助になると思います。
つまり社会問題も提起していたのでした。
人が、生まれ・生きて・死んでいく過程に密接にかかわる病院って、
小説のネタがまだまだ隠されていそうです。
