
今回紹介させていただく本は、
タイトルの通り、
今から150年程も前。
1869年(明治2年)イギリスの天文学者、
ノーマン・ロッキャーによって、
立ち上げられた科学誌「NATURE」には、何が書かれていたのか。
を語った本です。
私自身。これまでNATUREを手に取ったことはないのですが、
漠然と、
最先端科学の難しい論文が載っている本。
というイメージを持っていました。
ですが、
創刊当時は、もちろんそういった側面もありながら、
科学者以外の人が関心を抱きそうな論文も多く掲載されていたとあります。
なんと、創刊から7週目には、
大々的に日本を紹介する記事も掲載されたとのこと。
1867年にパリ万国博覧会で展示された日本の漆器や刀剣、浮世絵によって、
ジャポニズムというムーブメントが引き起こされていたとはいえ、
200年の鎖国から解き放たれた日本の話が、
大英帝国絶頂期の紳士達に向けた、売物になるのだな。と、
あらためて驚くとともに、
私の勤める谷島屋書店が、今から150年前の、
1872年(明治5年)に創業したということもあり、
当時のヨーロッパから見た、維新直後の日本がどのように映り、
どのような記事となったのか。
大変興味深く読みました。
本書のように、創刊から今も続く1冊の雑誌を軸に、
それを取り巻く環境や、当時のことを書いた本は珍しいのかなと思います。
魅力を上手く紹介できず歯痒いですが、
是非手に取っていただきたい1冊です。