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子供たちが小・中学生の頃、主に学校の図書室で出会うことの多い少女小説の
名作は、世代を越えて愛され続けています。
たとえば2020年6月にアメリカ映画『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』が
公開されたように、同じ年の9~11月には、
NHK地上波でテレビドラマ『アンという名の少女』(カナダ・CBCほか制作)が放送されたように、
名作少女小説は、何度も映像化され、何冊も関連書籍や新しい訳書が出版され続け、
常に新しい読者を獲得して来ました。
本書は、『若草物語』や『赤毛のアン』『あしながおじさん』など、
特に日本で人気の高い少女小説9作を、文芸評論家・斎藤美奈子さんが、新たな視点で再解釈した評論集です。
個人的には、『あしながおじさん』と『赤毛のアン』の結末に対する考察が、正に「我が意を得たり」でした。
その他、いかにも斎藤さんらしい各作品への,,愛情の示し方・気配り方には、同意させられることが多く、
「もう一度、この小説を読んでみたい」と思わせてくれました。
本書は、過去において、これら少女小説を熱心に読んでいたであろう、
“学校の図書室に入り浸っていた”かつての子どもたちにこそ、お薦めしたいです。