
本棚は“その人”を映す鏡。
そこに並ぶ背表紙を眺めるだけで、
好きだったもの、夢中になったこと、 学んだこと、時代の空気までもがふっと立ち上がってくる。
他の人に見られると、なんだか自分の歴史を覗かれているようで少し恥ずかしくなる。
だけど他人の本棚は覗いてみたくなる──人間って不思議だ。
文豪たちの棚は、まるで意図してデザインされたかのように洗練されている。
その前で作品が生まれていったと思うと胸が高鳴る。
芥川龍之介、太宰治、宮沢賢治、三島由紀夫……
彼らはその本棚の前で、どんな景色を見ていて、どんな思いで言葉を紡いだのか。
本棚という迷宮は、創作の源泉へと続く秘密の入口でもある。
本書には、現代を彩る豪華な作家・表現者たちが多数登場する。
今村昌弘、あさのあつこ、宇佐美まこと、結城真一郎、酒井順子、 モモコグミカンパニー、
池波正太郎、荻上チキ、永井紗耶子、 室井滋、町屋良平、青葉市子、岩崎う大、村井理子……。
ジャンルも個性も異なる彼らの本棚は、まさに“人生の縮図”。
そして圧巻なのが、後半に登場する石井千湖さんの“積読タワー”。
その高さ、なんと約2メートル。 間にある本を読みたくなったらどうするのか──
そんな素朴な疑問すら楽しくなる、愛すべき読書家の風景だ。
