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『異形探偵メイとリズ』 荒川悠衛門  (KADOKAWA)

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店員のオススメ

富士宮店

『異形探偵メイとリズ』 荒川悠衛門  (KADOKAWA)

富士宮店  店長:河合のおすすめ



己の腕力を担保に、口よりも先に手が出るド迫力のメイ(身長186㎝)
優れた能力を持ちながらも、自信が持てないためにおどおどとした小動物系のリズ
凸凹バディによる娯楽要素満載のエンタメホラー!(昭和臭い煽り)

「ホラー」という懐の深いジャンルを最大限に利用して、読者を「楽しませるぜ!」という
サービス精神に溢れた作者の意気込みを随所に感じる。
姿かたちも性格も、水と油のようなメイとリズのテンポのいいやり取りが笑えるし微笑ましいし、
ネタばれしたくないので詳しく書けないが、ここでこれ持ってくるか!という展開もあり、
その他の登場人物たち(癖が強い)の挙動などなど、しっかりと笑いのツボも押さえてる。

またホラーたる所以の「異形」の意味の分からなさ、造形の不気味さも非常に素敵。
(褒めてます)
この部分はもっと語りたいけど、やはりネタばれになるので我慢するとして。
でもちょっとだけ言うと。
登場した瞬間から「あの立ち位置」の彼に明るい未来は無いとは思ったけどさぁ・・・
彼の扱いはちょっと酷すぎない?荒川先生!?
しかし「あれ」だからこそ、「異形」に翻弄される理不尽さも伝わるんだよなぁ・・・

その他、旧家の因習とか戦後の闇とかなんとか、設定が盛りだくさんでこの疾走感!
これこれ!これがエンタメホラーってやつですよ!俺は大好きだぜ!

次々と起こる難題に翻弄されつつも、登場人物の一人一人が成長していく姿も眩しい!
何かを成し遂げた達成感、認めてもらえた喜び、その成長が笑顔に現れ出るのだろう。
次はどんな物語で楽しませてもらえるのか、年甲斐もなくわくわくしながら待つとしよう。