Javascriptが無効になっているため、正常に表示できない場合があります。

『育休刑事』 似鳥鶏  (KADOKAWA)

login
店員のオススメ

磐田店

『育休刑事』 似鳥鶏  (KADOKAWA)

磐田店・店長:新井のおすすめ



タイトルの通り、育休を取って子育てに奮闘している刑事(男性)が事件に遭遇し、捜査協力をする。
いたって普通の主人公が普通じゃない姉と協力し、育児の知識をヒントに事件を解決していくという物語。

まず刑事が育休を取るといった発想自体なかなか思いつかない。
理由は後々わかるのだが、まだまだ男性の育休が普及していない現代で、
さらに休みが取れない印象の警察で育休。どこから発想が来るのやら。
作者の似鳥鶏さんの作品は気軽に読めるのだがその背景には現実問題も含まれているものが多い。

今回も育休を取る男性とその伴侶への世間の目、育児の常識に対する矛盾などがある。
主人公が何をしても泣き止まない赤ちゃんに精神的に追い詰められ、
我に返ると高く掴み上げていたというシーンがある。
あってはならないことだが、そんな気持ちになることもあるのだ。
絶対にやってはいけないが。
その後の虐待に対する作者の意見がなるほどと思わせる。


育児の「あるあるネタ」にお子様がいらっしゃる方は、「あぁ、こんなことがあった(気がする)なあ」
「この気持ちわかる」といった共感や懐かしさをおぼえる方もいらっしゃるはず。
お子様がいらっしゃらない方もミステリ小説としてとして楽しんでいただけます。
注意として、内容をなんとなく知りたくてあとがきから読むことはお勧めしません。
本編と全く関係ありません。