「校正」とは、「本や新聞など文字情報が世に放たれる前に、その内容や表現に誤りや不備がないか、一文字一文字すべてチェックする」（本書より）
ことだそうです。
本書の著者の大西寿男さんは、校正の第一人者で、著名な作家さんからも直接指名を受ける程、その仕事ぶりが多くの作家や編集者から絶大な支持を得ている校正者です。
2023年1月13日放映の、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でもご紹介されておりました。
私は以前に本書を読了していたのですが、その時には「校正者の教科書」的な印象が強かったのです。
そんな私が、今回NHKで大西さんの仕事を拝見し、再読すると、何故か一文一文がよりすっと自分の体内に入ってくる感じがしました。
文字通り、「命を削りながら」本を始めとする出版物を世に出そうとする大西さんの様子を、映像で見ることが出来たからでしょうか。
校正者の方の紹介で、こんな陳腐な表現しか出てこない自分が情けないのですが、大西さんの仕事ぶりは「カッコイイ」の一言に尽きます。
１冊の本が生み出される時、作家さん、編集者さん、校正者さん、その他様々な方の物凄い思いが詰まっています。
我々書店員は、改めて１冊１冊をしっかりお客様に届ける“責任”があると思いました。
