
身近な存在であるいきものたちが言葉を話し意思疎通できるようになっている世界の物語。
とはいっても試験管から生まれた人工生物で2足歩行をし、
仕事にもつくがあくまで人間が上位の存在であり、傷つければほぼ無期懲役である。
彼らはヴィトロ・アニマと呼ばれる
人の側にいて共の在る。
自分の飼っている犬や猫がヴィトロ・マニアだったらとついつい考えてしまう。
だけれども2足歩行をしている犬にリードをつけていることに抵抗も感じます。
ですが、おさんぽの時、リードは必要です。
興奮して走り出してしまうこともあるからです。
同じ理由でヴィトロ・アニマの犬たちもリードをつけられている。
自分の感情をコントロールできなければ、管理してもらわなければならないのだ。
最終ページで主役のハチくんは言う。
「僕は誰も傷つけないヴィトロになるよ」
人工生物であるハチくんがこのように宣言するのだ。
人に管理されるヴィトロ・アニマだけれど
ハチくんに恥じないよう人間たちもそうであらねばないないよね。
と思う人間でした。