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『マテウシュ・ウルバノヴィチお蔵出し2010ー2021』 マテウシュ・ウルバノヴィチ (エムディエヌコーポレーション インプレス)

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浜松本店

『マテウシュ・ウルバノヴィチお蔵出し2010ー2021』 マテウシュ・ウルバノヴィチ (エムディエヌコーポレーション インプレス)

浜松本店 副店長:永山のおすすめ



絵がめちゃくちゃうまい友だちのスケッチ手帳を見せてもらっている。
サイズ感、描いた紙の質感が感じられる印刷、思い立ったままに描いたような脈絡のない感じ、すべてが相まって、そんな気分を誘う一冊。
透明な色彩に満ち、絵の中の空気まで肌で感じられそうなページがあれば、目が覚めるようなきっぱりした輪郭と鮮やかな色の世界もある。
ペン一本で描かれた色彩のない風景にも不思議とあたたかさが溢れる。
少しずつ違うタッチの絵の向こうに見える好奇心と、寄せられたひと言コメントに思わず顔が綻ぶ。

朝焼け、もしくは夕焼けの朱がローソンの看板の青を染めるさま、薄暗くなった通りに浮かび上がる電話ボックスから漏れる光の不気味さ、いくつもの年月を経て色が抜けた庇の絶妙な赤色、うっすらと青みがかった影が落ちる建物の裏側。

私たちの胸のうちに常に住んでいる『懐かしさ』に姿かたちを与えたら、きっとこんな感じなんだろう。